観 月
往く夏を惜しみながら
初秋の涼風が頬を掠める月夜の晩
何処からともなく聞こえる
虫の声に耳を傾け
見上げれば
ゆったりと流れ行く薄雲に
見え隠れしながらも
皓々と金色の光を投げかける満月が
手にした杯にも
目に眩しい円影を映し出している