加賀湯情
作詞・作曲・唄:泉 昇
一、恋の湯の花 髪結う獅子も
  主(ぬし)の前では 宵つぼみ
  一夜(ひとよ)明けても まだ醒めやらぬ
  別れ涙を瀬音で消して
  忘れしゃんすな 山中道を 
  ああ 未練 未練湯けむり
  加賀湯情


二、主と逢瀬の あやとりはしに
  つもる白雪 傘ふたつ
  酔ったふりして 肩に手置いて
  千鳥二の字が重なる街は
  送りましょうか 送られましょうか
  ああ 尽きぬ 尽きぬ情けの
  加賀湯情
  
三、旅のお方と お薬師様は
  雲の間に間に 見え隠れ
  茶屋で見つけた 山中塗りの
  夫婦湯呑みを貴方に買って
  とんで行きたや あなたの下へ
  ああ 夢を 夢を憧憬(ゆめ)みて
  加賀湯情